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教育

2021年00月00日

子供の習い事の費用はいくらかかってる?学年別の平均月謝や金額をおさえる方法をご紹介

子供の習い事はさまざまな種類があり、「子供がしたい習い事をやらせてあげたいけど、費用が気になる…」という方も多いかと思います。そこで今回は、学年別の習い事にかかる平均月謝を紹介します。費用を抑える方法や習い事の種類もまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

どのような時期に何の習い事をしているの?

学研教育総合研究所による「小学生白書2021年版」では、小学生から高校生までの習い事について調査公表されています。こちらをもとに、どのような時期に何の習い事をしているのか紹介していきます。[注1]

学年別にまとめたので、子供に習い事をさせたい方は目安として参考にしてみてください。

小学校では塾に通いだす人が増加

小学生白書によると、小学生で習い事をしているのは全体の7割以上であることがわかりました。なかでも水泳教室が最も多く、25.7%という結果です。次に学習塾で18.7%、通信教育で15.3%と続きます。このように、小学生の習い事はスポーツ教室が人気です。

また、学校以外通っている習い事はないという回答は24.8%となっています。この結果は、習い事で最も多い水泳と同程度であることもわかりました。

中学生では塾や通信教育が増える

学研教育総合研究所の中学生白書(2020年8月調査)によると、中学生で習い事に通っているのは、全体の69.3%であることがわかりました。また、小学生で習い事をしている人の割合よりも、中学生の割合のほうが若干下回っています。[注2]

一方、学習塾などに通っている人が全体の44.5%で、2位以下を大きく引き離して1位でした。続いて、通信教育(12.7%)、英会話(9.3%)と平均的に中学生は教材を使用した習い事が多いです。

さらに、小学生の習い事で1位の水泳は中学生になると5位に順位が下がり、全体の3.2%とかなり減少しています。この結果から、受験対策として塾など学習関連の習い事が増加していると推察されます。

高校では習い事をしている人が減る傾向に

学研教育総合研究所「高校生白書・2021年8月調査」では、習い事自体していない人が6割以上であることがわかりました。内訳として、「学校以外で行っている習い事はない」と答えた人が最も多く、62.5%です。[注3]

また、高校生で習い事をしている人のうち、最も多いものが受験のための塾で18.8%です。次に通信教育で4.0%で、以降はどれも2〜3%の横ばいとなっています。

子供の習い事はいくらかかる?平均費用を紹介

ここからは、子供の習い事には実際にいくらかかるのか紹介します。文部科学省の「平成30年子供の学習費調査」を参照し、塾代など教育関連の習い事と、教育関連以外の習い事に分けて学年別に平均費用をまとめました。[注4]

なお、同調査結果では年間の表記しかないため、月額換算した金額をカッコ内にて紹介します。平均費用の目安として参考にしてみてください。

学習塾など教育関連の習い事

文部科学省の学習費調査の項目のうち、学校外活動費が塾や習い事に関する出費に相当します。なかでも、学習塾などの教育関連の習い事費用は「補助学習費」、教育関連以外の習い事は「その他の学校外活動費」として調査結果が公表されています。

はじめに、学習塾など教育関連の平均費用を子供の学年別に紹介するのでおさえていきましょう。なお、同調査の対象となる年齢は3歳から高校3年生までとなっています。

年間補助学習費(月額換算)

公立の教育施設へ通う場合 私立の教育施設へ通う場合
3歳 1.3万円(約1,100円) 3.8万円(約3,200円)
4歳 2.3万円(約1,900円) 4.9万円(約4,100円)
5歳 2.6万円(約2,200円) 5.7万円(約4,700円)
小学1年生 6.4万円(約5,400円) 22万円(約1.8万円)
小学2年生 5.2万円(約4,300円) 18.7万円(約1.6万円)
小学3年生 6.3万円(約5,300円) 23.2万円(約1.9万円)
小学4年生 7.4万円(約6,200円) 34.3万円(約2.9万円)
小学5年生 10.9万円(約9,100円) 48.1万円(約4.0万円)
小学6年生 13万円(約1.1万円) 63.7万円(約5.3万円)
中学1年生 14.7万円(約1.2万円) 17.8万円(約1.5万円)
中学2年生 21.5万円(約1.8万円) 22.7万円(約1.9万円)
中学3年生 36.3万円(約3.0万円) 25.7万円(約2.1万円)
高校1年生 10.5万円(約8,800円) 14.1万円(約1.2万円)
高校2年生 12.9万円(約1.1万円) 17.3万円(約1.4万円)
高校3年生 20.9万円(約1.7万円) 26.9万円(約2.2万円)
教育関連の習い事は主に進学時期に費用がかかる傾向

同調査によると、公立施設へ進学している人では中学3年生が費用のピークで、金額の費用は年間36.3万円です。また、私立の教育施設へ進学している人は小学6年生が出費のピークで、年間63.7万円となっています。

いずれも中学校から高校へ、小学校から中学校への進学前のタイミングです。

さらに、受験前の時期では普段の講義に加え、模擬試験や直前対策講義が追加されることも多いです。そのため、特に受験前の学年では費用が高くなることがわかります。これらの結果を参考に、習い事にかかる費用の目安を立てておきましょう。

スポーツや教養など教育以外の習い事

水泳などのスポーツや、音楽、芸術、英会話など教育以外の習い事の平均費用について、年齢別に紹介します。塾以外にもスポーツや芸術系の習い事に通わせたい方は、以下を目安にしてみてください。

年間補助学習費(月額換算)

公立の教育施設へ通う場合 私立の教育施設へ通う場合
3歳 3.4万円(約2,900円) 8.6万円(約7,200円)
4歳 6.0万円(約5,000円) 12.4万円(約1.1万円)
5歳 7.4万円(約6,200円) 13.9万円(約1.2万円)
小学1年生 13.4万円(約1.1万円) 35.3万円(約2.9万円)
小学2年生 13.1万円(約1.1万円) 34.4万円(約2.9万円)
小学3年生 14万円(約1.2万円) 33.5万円(約2.8万円)
小学4年生 14.6万円(約1.2万円) 28.5万円(約2.4万円)
小学5年生 13万円(約1.1万円) 24.7万円(約2.1万円)
小学6年生 11.2万円(約9,300円) 22.4万円(約1.9万円)
中学1年生 7.1万円(約5,900円) 10.4万円(約8,700円)
中学2年生 7.3万円(約6,000円) 10万円(約8,300円)
中学3年生 4.5万円(3,750円) 12.9万円(約1.1万円)
高校1年生 3.2万円(約2,700円) 6.2万円(約5,200円)
高校2年生 3.2万円(約2,700円) 5.9万円(約5,000円)
高校3年生 2.3万円(約2,000円) 4.9万円(約4,000円)
公立小学校ではおおむね月1万円前後が月謝の平均である

公立小学校に通っている人の習い事の費用は、1年生から6年生まで年間13万円前後を推移しています。つまり、およそ月1万円までの習い事を目安にしていることがわかります。

また、中学校以降では年間の費用が数万円程度なので、スポーツや芸術系、教養などの習い事は小学生がピークでしょう。

私立小学校に通っている人の場合も同様で、習い事の出費がもっとも多いのは小学生の期間です。ただし、私立小学校の6年生だけは減少しています。これは、前述の教育関連の習い事のピークにあたるためだと推察されます。

受験対策を優先するために、芸術系やスポーツなどの習い事を控える傾向にあるのです。

子供の習い事の費用をおさえるための方法とは

子供の習い事には、月額の費用以外にも交通費や道具などを買い揃える費用もかかります。そのため、事前に見学をしたり通っている人から情報を得たりと下調べをして、月謝以外に発生する費用の目安を把握しておきましょう。

ここからは、具体的に習い事の費用をおさえられる方法を紹介します。塾や芸術系、スポーツ教室など掛け持ちで習い事を考えている方は、先述した費用相場を理解したうえで費用をおさえていきましょう。

兄弟・姉妹割引は積極的に利用しよう

スイミングスクールや英会話教室などでは、2人目以降の兄弟・姉妹が入会する際に月謝が割引されることもあります。そのため、通いたい習い事を探す場合は割引制度がないか事前に調べましょう。

また、兄弟・姉妹で同じ習い事に通わせることには、このほかにもメリットがあります。同じ習い事であると、同じ教材や道具を使うため兄弟・姉妹で共有できる場合もあります。新たに買い揃える必要がなく費用がおさえられるため、兄弟・姉妹がいる場合は活用してみてください。

自治体が主催している習い事も活用しよう

県や市など、自治体が主催している習い事は、金額が相場よりも安くおさえられています。例えば、富山市では、スポーツクラブのジュニアコースが開講されており、年少から小学6年生まで学年に応じて内容を変えています。いずれも月謝は2,000円程度で毎週実施しています。

ほかにも、バドミントンやヒップホップダンスなども開講しており、いずれも相場よりかなり安価な月額です。

子供の教育資金も貯めながら習い事とのバランスも考えよう

子供の習い事は、なにかとお金がかかります。そのため、家計を工夫しながら子供の希望する習い事に通わせたいものです。

そこでここからは、全体的な子供関連資金の備えについて解説します。本来必要な学校関係の教育費と、習い事のための費用も含めて子供の資金準備の観点から紹介していきますよ。学年が上がるごとに教育費や養育費も上がるので、しっかりと資金を用意しておくと安心です。

学資保険や積立投資信託など金融商品の活用

子供のために確実に資金を貯金する方法は、コツコツ貯めることがおすすめです。また、金融商品を活用することで、より合理的な教育資金への備えとなります。ここからは、金融商品のうち生命保険の一つである学資保険と、資産運用しながら備える商品の積立投資信託を紹介します。

学資保険は万が一にも備えられる資金準備にもなる

学資保険は、生命保険のなかでも唯一子供を対象とした貯蓄性の高い商品です。学資保険の主な仕組みは、保険契約満了時にまとまった資金が受け取れることです。

学資保険に加入できる子供の年齢は保険会社によって異なりますが、0歳から小学校入学までとしているケースが多いです。また、出生前加入ができる学資保険もあるため、早めの備えとして加入できます。一般的には、未就学児のうちに加入することが多いようです。

学資保険の最大の特徴は、保護者に万が一のことがあった時でも満了時の資金は満額受け取れることでしょう。学資保険の契約者は、親のうちいずれか1人です。この契約者が死亡または高度障害状態になった場合、以後の保険料が免除される特約が付加されています。

通常の貯金では、親に万が一のことがあって収入が途絶した場合、目標額に到達できません。しかし、学資保険では親に万が一のことがあっても、保険契約上の金額を満額受け取れるのです。そのため、学資保険は何があっても子供のために資金を残せる安心の金融商品といえます。

積立投資信託で増やしながら子供のために資金準備

積立投資信託は、投資信託商品を毎月一定金額で積立購入する金融商品です。北陸銀行では毎月5,000円(インターネットでつみたてNISAをご利用の場合は毎月1,000円)から積立購入でき、購入する日付も自由に設定できます。

購入の際は、預金口座から自動引き落としされるため、購入の漏れがなく着実に積立が可能です。積立投資信託の購入方法や購入できるファンドについてのご相談は、お気軽に北陸銀行窓口までお問い合わせください。

北陸銀行の積立投資信託

自動振替で確実に先取貯金

子供のためにお金を貯めていくにあたり、自分で口座間の資金移動をすることもあるでしょう。しかし、「今月はタイミングが悪くて資金移動できなかった…」ということが続くと、お金はなかなか貯まりません。

このようなケースにならないためにも、自動振替による貯蓄がおすすめです。この方法は、預金口座から自動的に振替するので確実に貯蓄ができます。北陸銀行では積立定期預金を取り扱いしています。

毎月の積立金額は5,000円からスタートでき、毎月の自動振替日も自由に設定できますので、家計に負担のない範囲で積立が継続いただけます。

自動振替による預金で確実に子供の資金を貯めていきましょう。

子供の習い事資金の計画的に用意を

子供の習い事には、塾などの教育関連とスポーツや芸術系などに二分されます。受験間近になると教育関連の習い事が優先になり、公立の小学生では月1万円前後の教育以外の習い事が多いことがわかりました。

いずれも、子供が1人の場合の金額であり、兄弟・姉妹がいる場合はさらに出費がかさみます。そのため、兄弟・姉妹割引のある習い事を探したり、スポーツや芸術系の習い事の場合は同じ教材・道具を使用したりすると費用がおさえられます。

習い事の費用は学年ごとに異なるため、当記事で紹介した費用相場を目安に資金を準備していきましょう。


  • [注1]「小学生白書2021」(学研教育総合研究所(Gakken))https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/202108/chapter7/01.html
  • [注2]「中学生白書2020」(学研教育総合研究所(Gakken))https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/j202008/chapter7/01.html
  • [注3]「高校生白書2021」(学研教育総合研究所(Gakken))https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/h202108/chapter7/01.html
  • [注4]「平成30年子供の学習費調査」(文部科学省)https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf

関連リンク

◎著者

大野 翠(おおの みどり)

芙蓉宅建FPオフィス代表

金融業界歴12年目(2022年時点)。お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを行っています。一般消費者の金融に関する苦手意識を払拭すべく、ライフワークとして「超・初心者向けマネー勉強会」を毎月テーマを変えて開催しています。