年金
2021年00月00日

加給年金とは、厚生年金を受給している方が、一定の条件を満たす配偶者や子を扶養している場合に、家族手当のように上乗せして支給される年金です。この記事では、加給年金の基本的な仕組みや支給条件のほか、2025年6月に成立した法改正による金額変更のポイントを紹介します。
加給年金とは、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で、生計を維持している配偶者または子がいるときに加算される年金です。
この制度は、年金を受け取る本人だけでなく、その家族の生活も支えることを目的としています。配偶者や子がいる場合に、老齢厚生年金へ上乗せして支給される点が特徴です。
加給年金を受け取るには、厚生年金を受給している本人だけでなく、その家族も一定の条件を満たしていることが必要です。ここでは、具体的な支給条件や対象者ごとの支給額を詳しく解説します。
加給年金を受け取るためには、まず厚生年金の受給者本人が以下の条件を満たしていることが必要です。
次に、加給年金の対象者となる家族にも、以下の条件が定められています。
※配偶者が、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある老齢厚生年金や、障害年金等を受給できる場合は加給年金の対象外となります。

上記以外に、重要な要件として「生計を維持されている」ことが挙げられます。これは扶養されている方の前年の収入が850万円未満(所得が655万5,000円未満)であることなどが目安となります。
なお、加給年金は厚生年金受給者本人に対して支給されるものであり、配偶者や子に直接支払われるものではない点に注意が必要です。
加給年金の支給額は、対象者によって異なります。2025年6月に成立した法改正により、2028年4月から対象者の区分や加給年金額が変更されます。
| 対象者 | 加給年金額※1 | 年齢制限 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 415,900円 ※2 | 65歳未満であること (大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はない) |
| 対象者 | 加給年金額※1 | 年齢制限 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 415,900円 ※2 | 65歳未満であること (大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はない) |
| 対象者 | 加給年金額※1 | 年齢制限 |
|---|---|---|
| 1人目・2人目の子 | 各239,300円 | 18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
| 3人目以降の子 | 各79,800円 | 18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
| 対象者 | 加給年金額※1 | 年齢制限 |
|---|---|---|
| 1人目・2人目の子 | 各239,300円 | 18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
| 3人目以降の子 | 各79,800円 | 18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
| 対象者 | 加給年金額※1 | 年齢制限 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 367,200円 | 65歳未満であること (大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はない) |
| 子 | 各281,700円 | 18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
| 対象者 | 加給年金額※1 | 年齢制限 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 367,200円 | 65歳未満であること (大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限はない) |
| 子 | 各281,700円 | 18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
この改正により、子に対する加給年金額は、人数にかかわらず1人につき28万1,700円に増額される予定です。一方で、配偶者に対する加給年金額は従来よりも減額されます。
加給年金の対象となる配偶者がいる場合、老齢厚生年金を受給している本人の生年月日に応じて、さらに「特別加算」が上乗せされます。これは、年金制度の移行期における配慮として設けられた制度です。
特別加算額は受給権者の生年月日によって異なり、生年月日が遅い(年齢が若い)世代ほど加算額が多くなる仕組みです。以下に、生年月日ごとの特別加算額と加給年金額の合計額をまとめました。
| 受給権者の生年月日 | 特別加算額 | 加給年金額の合計額 |
|---|---|---|
| 昭和9年4月2日から昭和15年4月1日 | 35,400円 | 274,700円 |
| 昭和15年4月2日から昭和16年4月1日 | 70,600円 | 309,900円 |
| 昭和16年4月2日から昭和17年4月1日 | 106,000円 | 345,300円 |
| 昭和17年4月2日から昭和18年4月1日 | 141,200円 | 380,500円 |
| 昭和18年4月2日以降 | 176,600円 | 415,900円 |
| 受給権者の生年月日 | 特別加算額 | 加給年金額の合計額 |
|---|---|---|
| 昭和9年4月2日から昭和15年4月1日 | 35,400円 | 274,700円 |
| 昭和15年4月2日から昭和16年4月1日 | 70,600円 | 309,900円 |
| 昭和16年4月2日から昭和17年4月1日 | 106,000円 | 345,300円 |
| 昭和17年4月2日から昭和18年4月1日 | 141,200円 | 380,500円 |
| 昭和18年4月2日以降 | 176,600円 | 415,900円 |
なお、上表の加給年金額の合計額は、加給年金本体の額(2025年度は239,300円)に特別加算額を上乗せした金額です。
配偶者が65歳に達すると、被保険者への加給年金の支給は停止されますが、一定の条件を満たす場合には、配偶者自身が受け取る老齢基礎年金に「振替加算」が上乗せされます。これは、加給年金の支給が終了した後も、配偶者の年金額を補うための制度です。

ただし、配偶者自身に厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある場合や、障害年金を受給している(受給する権利がある)場合などは、振替加算の対象外です。
振替加算の金額は配偶者の生年月日によって異なり、生年月日が遅い(年齢が若い)世代ほど加算額が少なくなる仕組みです。
なお、振替加算の対象者は、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれており、かつ条件を満たす方となっています。昭和41年4月2日以降生まれの方には振替加算が支給されないため注意が必要です。
加給年金は自動的に支給されるものではなく、要件を満たしていても受給するには申請手続きが必要です。手続きを行わないと加給年金を受け取れないので、注意が必要です。
申請は、老齢厚生年金の受給権が発生したときに、年金事務所または年金相談センターで行います。必要書類として「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」があります。なお、届出書に本人および加給年金の対象者の個人番号(マイナンバー)を記載しない場合は、以下の添付書類が必要です。
加給年金の制度はやや複雑な部分があり、申請を検討する際にはさまざまな疑問が生じることがあります。ここでは、よくある質問を解説します。
別居中でも、生計を維持している関係が認められる場合には、加給年金を受け取れます。具体的には、定期的な生活費の仕送りや経済的援助を受けていれば、加給年金の対象です。
事実婚(内縁関係)の場合でも、生計を維持している関係が認められる場合には、加給年金の支給対象となります。法律上の婚姻関係がなくても、実質的に夫婦として生活していることが証明できれば問題ありません。
加給年金の支給が停止される主なケースは、以下のとおりです。
これらの場合には、加給年金の支給が停止されます。
加給年金の支給条件から外れた場合は、速やかに「加給年金額対象者不該当届」を年金事務所に提出する必要があります。この届け出を怠ると、本来受け取るべきでない年金を受給し続けることになり、後日返還を求められることになります。
加給年金は厚生年金の加入者で、条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に年金が加算される制度です。
2025年6月に成立した法改正により、2028年4月から配偶者への加給年金は減額される一方で、子への加給年金は増額される予定です。加給年金は自動的に支給されるわけではなく、条件を満たしていても申請手続きが必要です。
また、配偶者が65歳になると加給年金は停止されますが、条件を満たす場合は振替加算として配偶者の老齢基礎年金に上乗せされます。別居中や事実婚でも、条件を満たしていれば受給可能ですが、必要な証明書類の提出が求められます。
公的年金は老後の生活を支える貴重な収入源の一つです。制度を理解して受け取れる金額を把握したうえで、安心できる老後の資金計画を考えてみましょう。
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