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公開日:2026年05月12日

会社員が知っておきたい控除(所得控除・税額控除)まとめ

毎月の給与からは、所得税・住民税・社会保険料が差し引かれています。これらはいずれも法律に基づいて定められているものです。一方で、税制上の控除(所得控除・税額控除)を適切に活用することで、税負担が軽減される場合があります。
本記事では、代表的な控除の概要を分かりやすく解説します。

控除について

税制上の控除には大きく分けて所得控除と税額控除の2種類があります。ここでは、2種類の控除についてご紹介します。

所得控除とは

所得控除とは、所得税や住民税を計算する際に、課税対象となる所得から一定額を差し引く仕組みです。控除額が大きいほど課税される所得が少なくなり、結果として税負担が軽減されます。ただし、実際の軽減効果は所得税率によって異なるため、同じ控除額でも人によって減る金額に差が出る点に注意が必要です。

税額控除とは

税額控除とは、所得控除を反映して計算された税額から、一定額を直接差し引く仕組みです。税金そのものを減らすため、負担軽減の効果を実感しやすいのが大きな特徴です。所得水準に関わらず効果を把握しやすく、仕組みとしても分かりやすい控除といえます。

会社員が活用できる主な控除5選

会社員でも利用できる控除は複数あります。年末調整で対応できるものと、確定申告が必要なものがあるため、それぞれの手続き方法をあわせて確認しておきましょう。ここでは、特に活用しやすい5つをご紹介します。

ふるさと納税

ふるさと納税は、応援したい自治体に寄附することで、寄附額から2,000円(自己負担分)を差し引いた金額が所得税・住民税から控除される制度です[注1]。地域の特産品などを返礼品として受け取れる点が大きな魅力です。

確定申告が不要な給与所得者で、寄附先が5自治体以内の場合は「ワンストップ特例制度」を利用できます。


  • [注1]総務省 ふるさと納税ポータルサイト「よくわかる!ふるさと納税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/about/

医療費控除・セルフメディケーション税制

1年間の医療費合計が10万円を超えた場合(総所得200万円未満の方は総所得の5%超)、確定申告で医療費控除(上限200万円)を受けられます[注2]。同一生計の家族分を合算できる点も活用ポイントです。

一方、市販の対象医薬品(スイッチOTC医薬品等)の年間購入額が1万2,000円を超えた場合は「セルフメディケーション税制」を選択でき、超過分(上限8万8,000円)を控除できます[注3]。

注意点として、医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できません[注4]。どちらが有利かをシミュレーションして選びましょう。いずれも確定申告(または申告書提出)が必要です。


  • [注2]国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
  • [注3]厚生労働省「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html
  • [注4]国税庁「No.1131 セルフメディケーション税制と通常の医療費控除との選択適用」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1131.htm

生命保険料控除・地震保険料控除

生命保険・介護医療保険・個人年金保険料を支払っている場合、生命保険料控除として所得控除を受けられます。新契約(2012年1月1日以降に締結)は「一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除」の3区分それぞれ最大4万円、合計最高12万円の控除が可能です[注5]。

自宅に地震保険をかけている場合は、地震保険料控除も利用でき、年間支払保険料が5万円以下なら支払額の全額が所得控除されます[注6]。どちらも年末調整にて控除ができます。


  • [注5]国税庁「No.1140 生命保険料控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm
  • [注6]国税庁「No.1145 地震保険料控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1145.htm

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)は、公的年金に加えて、老後にもらえる年金を増やすことを目的とした私的年金制度です。自分が拠出した掛金を、自分で運用して、資産を形成していく制度です[注7]。掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象となるため、所得税・住民税を直接減らす効果があります[注8]。掛金上限は、被保険者種別・企業年金の加入状況によって異なります。

なお、原則60歳まで引き出しができないため、生活費や近い将来使う予定のある資金には適しません。老後に向けた積立資産としての位置づけを理解しましょう。


  • [注7]国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト https://www.ideco-koushiki.jp/
  • [注8]国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1135.htm

住宅ローン控除

住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合、年末ローン残高の0.7%が所得税から控除されます(所得税で引ききれない場合は翌年の住民税の一部からも控除)[注9]。初年度のみ確定申告が必要になり、2年目以降は年末調整で手続き可能です。

また、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、原則として省エネ基準への適合が必要です(省エネ基準を満たさない住宅は原則対象外)[注10]。


  • [注9]国土交通省「住宅:住宅ローン減税(所得税・個人住民税)」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/shienjigyo_r7-06.html
  • [注10]国土交通省「住宅:住宅ローン減税」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

控除を行う際の手続きについて

控除を行うには、まず「年末調整」と「確定申告」のどちらで手続きするかを把握することが大切です。

手続き方法 主な対象控除 ポイント
年末調整(12月) 生命保険料控除・地震保険料控除・配偶者控除・扶養控除 など 会社が代行。控除証明書を期日までに提出するだけで完結
確定申告(翌年2〜3月) 医療費控除・ふるさと納税(ワンストップ未利用時)・住宅ローン控除(初年度)など 自分で申告が必要。領収書・証明書を事前に整理しておくとスムーズ
手続き方法 主な対象控除 ポイント
年末調整(12月) 生命保険料控除・地震保険料控除・配偶者控除・扶養控除 など 会社が代行。控除証明書を期日までに提出するだけで完結
確定申告(翌年2〜3月) 医療費控除・ふるさと納税(ワンストップ未利用時)・住宅ローン控除(初年度)など 自分で申告が必要。領収書・証明書を事前に整理しておくとスムーズ

確定申告は、e-Taxを利用すればスマートフォンからも申告でき、手続きのハードルが大幅に下がっています。まずは年末調整で申告できる控除の確認から始めてみましょう。

まとめ

会社員でも利用できる控除は多くあります。控除を正しく利用することで、税負担の軽減につながります。

  • まずは年末調整で「生命保険料控除・地震保険料控除」を漏れなく申告する
  • ふるさと納税は寄附翌年1月10日必着のワンストップ申請期限に注意
  • 医療費が多い年は医療費控除、市販薬中心の年はセルフメディケーション税制をシミュレーション
  • 老後資金の積立にはiDeCoの掛金全額所得控除が有効
  • 住宅購入予定がある方は省エネ基準の適合確認を忘れずに

北陸銀行ではお金について考える方々のサポートを行っています。現在や将来のお金のことについて、何かお悩みの方はぜひ北陸銀行にご相談ください。

※税金に関する詳細やご自身に適用できるかどうかについては、税理士や税務署へお問い合わせください。

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【監修者】 中村 将士

新東綜合開発株式会社代表取締役

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP®(日本FP協会認定)
宅地建物取引士
上級心理カウンセラー

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